鹿児島県医療勤務環境改善センター

医療機関の管理者の皆様へ
医療機関の働きやすい環境に向けた勤務環境改善のために当センターをご活用ください 

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労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

2. 健康管理に関すること③腰痛・感染症予防等

2021.2.16労働者である看護師が、入院患者の体位変換・移乗介助で腰痛を発症したと言っていますが、直接の原因なのかはっきりしません。労災補償の対象になるのでしょうか。

平成25年に厚生労働省が作成した「腰痛予防対策リーフレット」において、職場での腰痛により4日以上休業する方は年間4000人以上で、うち社会福祉施設では約1000人、 医療保健業では約350人で合わせて3割を占めている、と記載されており、医療・介護の現場において腰痛予防対策は重要な取り組みの一つです。

労災補償についてですが、厚生労働省では、労働者に発症した腰痛が業務中のものとして労災認定できるかを判断するために、「業務上腰痛の認定基準」を定めています。
その中で、労災の認定要件として、「災害性の原因による腰痛」、「災害性の原因によらない腰痛」、の2種類に区分して、それぞれ労災補償の対象と認定するための要件を定めています。

それぞれの要件の内容、詳細は「業務上腰痛の認定基準」リーフレットを参照ください(こちら

なお、俗にいう「ぎっくり腰」は日常的な動作の中で生じるので、例え仕事中に発症したとしても労災補償の対象とは認められません(例外あり)
また個別の確認については最寄りの都道府県労働局、労働基準監督署へお問い合わせください。

厚生労働省では、「職場における腰痛予防対策指針」において、福祉・医療分野等における看護・介護作業も対象として、腰に負担の少ない介助方法などを示しています。
腰痛予防対策リーフレット「看護・介護作業による腰痛を予防しましょう(社会福祉施設、医療施設事業主向け)」はこちら

2020.8.20最近、腰痛の発生原因に心理社会的要因も関与していることが明らかになってきたという話を聞きました。それについて簡単に教えてください。

腰痛の発生原因における心理社会的要因についてですが、明らかな原因疾患のない非特異的腰痛について、職場でのストレスや、腰痛が悪化することへの不安感が脳機能の不具合を起こし、筋肉の緊張や痛みの過敏化を引き起こすことが、最近の脳科学で明らかになってきているようです。
 Fear-Avoidance model(恐怖回避思考モデル)において、「私の腰痛は決して良くならない」、「この痛みには耐えられない」、「私は痛みに対処できない」などの痛みに対する歪んだ認知(思考)が負のスパイラルを始動し、痛みに対する不安、恐怖からの回避行動(腰を大事にする、腰痛ベルトを常につける、腰に負担がかかる作業はしない、仕事を休むなど)を助長します。そして、不活動が、抑うつ、社会生活への適応障害ももたらし、さらに痛みを遷延化させてしまうのです。
 非特異的腰痛の場合、痛みを楽観的に考え、多少痛くても、身体を動かすことも重要であると言えそうです。
 平成30年度 厚生労働科学研究費補助金 労働安全衛生総合研究事業「労働生産性の向上に寄与する健康増進手法の開発に関する研究(H28 – 労働- 一般- 004)」の成果物として、「職場での腰痛対策の進め方」が、労働生産性の向上に寄与する健康増進手法の開発に関する島津明人氏の研究室ホームページよりダウンロードできますので、ご参考にされてください。
 「職場での腰痛対策の進め方」(https://hp3.jp/wp-content/uploads/2019/06/06.pdf)

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